【読書メモ】アドラー心理学実践入門 岸見一郎
岸見一郎さんのアドラー心理学実践入門を読んだのでメモに残したいと思います。
アドラー心理学 実践入門---「生」「老」「病」「死」との向き合い方 (ワニ文庫)
- 作者: 岸見一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 文庫
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- アドラーは人間の悩みの全ては対人関係の悩みであると言っている。対人関係の悩みから脱却することができれば、幸福に近づくことができる。
- アドラーは当時政治改革によって世界を変えていくことを目指しましたが、政治の現実を目の当たりにして政治ではなく、育児と教育によって個人の、人類の救済は可能だと考えました。
- 怒りに駆られて大声を出すのではなく、大声を出すために起こるのです。不安なので外に出られないのではなく、外に出ないために不安と言う感情を作り出すとアドラーは考えます。目的があって、その目的を達成する手段を考えだす。怒りと言う感情があって怒るのではなく、誰かを自分の言うことを聞かせようとして怒りを使う。
- 原因論ではなく目的論的に考えてことが大切。何かがあって何かをするのではなく、目的があって何かをする。すべての事は自分で決めている。
- 今の自分が不幸なのは、過去に原因があるのではない。過去にある原因を変えることができないけど未来にある目的は変えることができる。
- 人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑にしている。そのために幸福に生きることをこんなにしている。人生についての意味付けを変えれば、世界は信じがたいほどシンプルになる。
- 意味付けというのは人生や世界あるいは自分をどう見るかと言うこと。人は同じ経験をしても、その経験に全く同じ意味付けをする事は無い。
- 世界や自分についての意味付けが変われば、世界との関わり方、行動までもが変わらざるを得ない。
- 大切な事は何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかであるとアドラーは言います。
- 属性付与を受け入れる必要は無い。例えばあなたはいい子ねと親が子供に言う時、その言葉はあなたはいい子でありなさいと言う意味が含まれており、それが子供の性質を決めてしまうことがあるが、これには従わなくて良い。親が悲しむかもしれないけど、その感情は親が自分でなんとかしなければならない感情である。
- 親であれ社会であれ、人がおしつけてくるイメージに自分は合わせる必要はないという勇気が必要で、そうすることで自由になることができる。また他人の目を気にして自分を実際以上に大きく見せる事は無い。ありのままの自分を見せると言う決心が勇気を作る。
- 人からの評価に左右されないことは幸福になるために必要だけど、自分がどんな風であり、どう行動するかは他人との関係できまる。
- 自分を好きになるためには、誰かの役に立っていると思えることが大切。自己犠牲や、自分のことを後回しにするという意味で、とかの人のために働くことが自分にとっての喜びになる。
- 他人のために行動できないのは、これだけやってあげたのに、という見返りの気持ちが強すぎるから。これが邪魔して人のために何かをすることができなくて、結果として自分が役に立っているという認識が得られず、自分を好きになれない。
- 自分がしたいことをすることが人の役に立つことになるのがいい。自分がしたいことでも、それによって人から認めてもらおうという気持ちがあればそれは自己満足。
- アドラーは他の人を仲間であると考えた。仲間であるから共同体感覚を持て、その人に関心を持ち、さらには貢献しよう、協力しようと思える。
- 他の人に援助を求めること、それが必要なことであれば恥ずかしいことではない。問題は、自分でしなければならず、かつ、できることまで他の人に依存して自分ではしないこと。
- 仕事の課題、交友の課題、愛の課題、まとめて人生の課題という。
- アドラーがいう劣等感コンプレックスは、劣等感とは違う。劣等感は自分が劣っているかのように感じることだけど、劣等感コンプレックスは〇〇だから〇〇できないという論理を日常生活の中で多用する。何かを始めようとするたびに、できない理由を探し、始める前からしないと決めている。
- 人生の課題を解決するためには他者への関心が発達していなければなりません。なぜなら、この人生の課題は対人関係であり、対人関係に何か解決を要する問題が起こったときに、自分は何もしないけれど、他の人が自分のために何かをしてくれると思っている限り、人生の課題が解決されず、そのため人生はいよいよ困難なものになるからです。
- 自分の過去の経験によって自分の人生が決定されるのではなく、過去の経験に与える意味によって自らの人生を決定していくのである。
- この世で人に強制できないことがふたつあります。1つは尊敬でもう一つは愛です。私を尊敬しなさい、私を愛しなさいと人に知ることができないのは明らかですが、そうすることが可能だと思っている人もいます。自分で何かをしなければ尊敬されることも愛されることもありません。
- アドラーはあらゆる関係は対等でなければならないと考えました。大人と子供も対等です。大人と子供が同じだといっているわけではありません。同じではないけれども対等であると考えるのです。
- 人の課題に踏み込まないと言うことの幸福に生きるために忘れてはいけないことです。対人関係のトラブルはいわば、土足で人の課題に踏み込んだり組み込まれたりするときにおこります。援助を依頼されなければ何もしないことが最善です。もしもどうしても協力したいと思うのであれば、何か私にできることがありますかと言うふうに尋ね、何も言わなければ静観するのが賢明です。
- 人に嫌われることを恐れて、他者の考えに合わせてしまう人は、自分が正しいと信じたことを主張するという責任を取っていないといえます。他人の評価を気にかけず、人に嫌われることを恐れないことこそ、自由に生きると言うことです。見方を変えれば自分のことを嫌う人がいると言う事は、自分が自由に生きているということの証であり、自由に生きるために支払わなければならない代償だということができます。
【読書メモ】植物はなぜ薬を作るのか 斉藤和季
斉藤和季さんの植物はなぜ薬を作るのかを読んだのでメモに残します。
- 植物の成分は、すべての植物あるいは動物にも共通して存在する一次代謝産物とある植物私にしか存在しない二次代謝産物に分けることができる。二次代謝産物は植物種特異的に存在するので、特異的代謝産物あるいは特異的成分、特化代謝産物などとも呼ばれています。薬などに用いられる植物成分は多くの場合この二次代謝産物。
- チンパンジーでさえ植物を薬として使っている。普段は口にしない苦味の強い植物の液を飲み、体調を回復させる。その植物の液を調べると、寄生虫の産卵を抑制する作用があることが分かった。
- 生薬とは天然に由来する素材を精製せずに、複数の成分が混じり合ってままで薬として使う。生薬の例としては甘草、桂皮、大黄、麻黄、人参など。
- 近代薬学はモルヒネの単離から始まった。1804年にアヘンからモルヒネが単離された。その後生薬から単離する研究が盛んになり、抗マラリア成分であるキニーネの単離をはじめとして、ニコチン、アントロピン、コカイン、エフェドリンなどな薬理活性アルカロイドが単離された。
- 西洋医学では要素還元主義。東洋医学では全体システム主義で薬に対する考え方が違った。しかし近代になると全体システム主義的な東洋医学は、細部を考慮しないものとして批判された。
- だけど還元主義的な考えでは生物の機能を説明できなくなってきた。だから、東洋医学と西洋医学を組み合わせるように最適化すべき。今では約90%の医師が漢方薬使用。
- モルヒネは血圧低下や呼吸抑制のような強い毒性作用もあり、動物がケシを大量に摂取した場合は死に至ります。植物であるケシは身を守るための防御物質がモルヒネ。
- サリシンやサリチル酸は、植物の体内で病原菌等の攻撃を受けたときに、その攻撃を植物の全身に伝えると言う役割を担っている。つまり病原菌が来たぞと全身に伝え防御体制を整える。
- タバコに含まれているニコチンは、成人ではタバコ2から3本、乳幼児は1本で致死量に達してしまう。植物の体内ではニコチンで昆虫や小動物などの捕食者に対する防御物質として使っている。
- カフェインも成人で一度に10グラム以上摂取すると危険と言われている。これも昆虫に対する防御策。
- コーヒー豆は木から地面に落ちて芽生えするときに大量のカフェインを周りの土に放出する。すると他の植物の芽生えが阻害される。
- ポリフェノールには抗酸化作用があり、健康付きの人にとってはたまらない代物です。ポリフェノールがもつ抗酸化作用は、植物の体内でも同じ機能を果たしていると言われています。またポリフェノールは紫外線を吸収するので、植物をストレスから守ります。
- 植物は抗がん剤のように、細胞の分裂に必須な微小管形成やDNA複製等を阻害して細胞分裂を止める化合物が含まれている。なぜ植物はそのような化合物を持っておきながら自身は平気なのだろうか。
- 栄養飢餓状態では、外敵への防御物質を分解して栄養に変える。
- 液胞内に毒性成分を蓄え、細胞内の核やミトコンドリアとは隔離。
- 液胞の外で毒性成分を生成しても、すぐに糖を結合して毒性をなくして液胞に取り込む。外敵による攻撃があると、糖を外して毒で対抗。
☆☆☆
知らない世界が覗けて面白かったです。
【読書メモ】料理の四面体 田村豊男
田村豊男さんの料理の四面体を読んだのでメモに残します。
- 料理の原理は簡単だと言っただけであって、料理を作ることが簡単だとは言っていない。
- 汁に浸す前に肉の表面を強火でさっと焦げ目をつけることで、肉の表面に防護膜ができて、後で汁の中に入れて長いことにてもエキスが完全に放出されてしまうことを防ぐので、肉がパサパサになることを防ぐ。この表面だけに焦げ目をつけることをフランス語でリソレと言う。
- ビーフステーキは牛肉のグリルのことでローストとグリルは火からの距離の差ということになる。
- ローストビーフとはせいぜい1キロ位の肉の塊ではなく、とにかく巨大な肉の塊を焼くものである。表面がカリカリに焼けていて中心に向かうに従って肉は赤みを増してウェルダンからミディアム、ミディアムからレアへと次第に生焼けになり、中心部は真っ赤に肉汁をたたえているというのが理想。
- 火に近づけて焼くのがグリルなのだから、焼きナスもグリル、うなぎの蒲焼や焼き鳥もグリル。
- グリルよりももう少し火から離す、つまりロースト。さらに火から離すと燻す。燻すことで燻製ができる。そして火を全く使わないただの風干しでひものができる。
- 実を言うと干物も全く火を使わないわけではない。遠く遠く離れた太陽の火を使っているのである。
- 油料理に関しては中国人が圧倒的にすごい。油の量によって料理の仕方名前が付いているのだ。
☆☆☆
あんまりおもしろいと言える本ではなかった。でも、後半にようやく本のタイトルである、料理の四面体、がでてきて、そこはすごく興味深かった。古今東西、どんな料理でも、火水空気油を頂点に取る四面体を作ることで、料理をロジックに分解できるのです。
料理に数学を持ち込むと新しい見え方がするんだなぁと感心しました。
【読書メモ】世界一の美女になるダイエット エリカ・アンギャル
エリカ・アンギャルさんの世界一の美女になるダイエットを読みました。メモに残したいと思います。(ダイエットバイブルのほうも読んでます。)
- ダイエットと聞くと日本の女性はただ痩せることをイメージしがちですが、本当のダイエットとは賢く食べること。何を食べて、何を食べないか。
- 日本は世界で2番目に猫にお金をかける国と言われているけど、化粧品の代金のほとんどはパッケージと広告費。化粧品が使っている成分に本当に効果があるかはレチノール以外にデータはない。それにシワには真皮層のケアが必要だけど、表皮に塗っても真皮層には届かない。
- 高いお金を払う割にあまり効果の期待できない化粧品よりも、食べ物にお金をかけるべき。
- 朝は手軽にビタミン補給ができる青汁がオススメ。日本のならベジパワープラスが口にあった。
- 日本人はフルーツを食べるのが少なすぎる。
- 残留農薬には気をつける。化学肥料を使わないで作られた有機栽培のものの摂取を心がける。加工品のものでも有機栽培の原料を使用きているものがある。有機JASマークが目印。
- しかし値段的にも有機栽培の野菜が手に入りにくいのならば、農薬が残留しやすい側の周辺部を厚めに剥いたり、重曹を使ってよく洗うようにしましょう。
- 害虫に弱い野菜、ブロッコリーや小松菜などは農薬がたくさん散布されていることが多いので、できるだけ有機栽培のもの購入。
- 美肌に欠かせないのか良質なオイル。アーモンドやアボカド、オリーブオイルと青魚などの脂肪。油をとったらニキビが出るなんて言うのは間違い。
- 何か甘いもの食べたいと思ったときは、ドライフルーツとカカオ70%以上のダークチョコレート。サツマイモやくりもおすすめ。
- アイスには砂糖のほかにトランス脂肪酸も含まれているので、冷たいものが欲しくなったときにはジェラートやシャーベットを。
減量成功の秘訣10
- 良質な油を取る
- タンパク質を摂る
- フルーツと野菜から食べる
- 穀類はカットせずに、玄米や全粒小麦粉を
- 砂糖などの精製食品はカット
- 19時以降は食べない
- 塩分は控える
- お酒は我慢。
- 睡眠はたっぷり
- 運動もたっぷり
以下ダイエットバイブル
- 作者: エリカアンギャル,Erica Angyal
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/12
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 32回
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- 植物油脂と書かれていると体に良い印象受けますが、実はトランス脂肪酸を含んでいることも多い。欧米諸国では原材料に表示義務付けられているほど危険な油ですか、日本では表示されていません。
- 油の選び方は、そのオイル名しか記載されてないものを選ぶ。乳化剤やカタカナの表記があれば精製油の可能性が大。
- 女性らしくあるために必要なものが女性ホルモン。ですが一生で作られる女性ホルモンの量はスプーン一杯。
ダイエットバイブルでは具体的に食事の写真が盛り込まれていました。
美味しそうなので今度作ってみよ!
ヘルシーなデザートの料理法もたくさん書いてあるので、女性必見かもです(=゚ω゚)ノ
☆☆☆
他の内容は良かったけどね(`・ω・´)”
【読書メモ】自分を操る超集中力 メンタリストDaiGo
メンタリストDaiGoさんの自分を操る超集中力を読んだのでメモに残したいと思います。
- 集中力を発揮するとき人は脳の前頭葉を使いますが、習慣化することで同じ作業を小脳が代わりにやってくれる。すると前頭葉を他のことに使えるようになる。
- 人間は進化の過程で前頭葉を大きくしてきた。前頭葉は思考や感情をコントロールすることができ、この力はウィルパワーと呼ばれています。ウィルパワーは集中力を使うたびに少しずつ消耗していく。
- ウィルパワーを鍛えるには2つの方法がある。1つはウィルパワーの総量を増やす方法。もう一つがウィルパワーの消費量を習慣化することによって節約していく方法。
- ウィルパワーの総量を鍛える方法は、無意識の行動を意識すること。例えば姿勢を正すとか。
- 前頭葉は何かをやる、何かをやらない、何かを望むと言う選択や決断をするためにウィルパワーを使う。だからできるだけ意思決定をしないように、習慣化をつけることが集中力を鍛えるための方法。
- そもそも人間は長時間集中できるようになっていない。なぜなら長いこと何かに集中することは、外敵から襲われる可能性が高いからです。だから集中力はそもそも長時間続くものでは無いということを認識しておくこと。集中力があるように見える人ほどうまく休憩を挟み、短時間の集中を繰り返している。
- 集中力が長く続かないと言う性質を逆手にとって、あらかじめ時間を短く区切って、もうちょっとやりたかったなと言う所で仕事や勉強を止める。そうすることでウィルパワーを使いすぎないし、仕事や勉強が途中で終わることで、あの続きをしたいとモチベーションを保つことができる。
- ウィルパワーを消耗させないためにも、机の上はノートを広げておく。何故かと言うとノートを開くと言う決断だけでもウィルパワー消費されてしまうから。
- 脳が感じる疲労感と言うものは単なる思い込みで、やる気やモチベーションが下がったと言う主観的なもの。
- 集中力を促すために机周りや作業スペースを片付けておく。またスマホのマナーモードも忘れずに。さらにスマホが机の上にあるだけで集中力が落ちると言うこともわかっているので、遠くにおくのも効果的。
- スマホやパソコンの画面が発するブルーライトは、寝る前に浴びると睡眠の質が落ちるのですが、昼間に浴びると集中力、分析力、思考力がアップすることがわかりました。
- ウィルパワーの源である脳の前頭葉前皮質を形成しているのは灰白質と呼ばれる領域で、石を鍛えるために瞑想が注目されている。
- ウィルパワーを回復させるためには十分な睡眠が必要。アップルのCEOのティム・クックは毎日7時間必ず寝ている。
- 90分で取り組むタスクは1つに絞り、それ以外は捨てる勇気を持つ。
☆☆☆
さくっと読める内容でした。だいたい知ってた内容だっけど、こういう風に言語化してるDAIGOさんはやっぱりすごいな。
瞑想、運動、断捨離が、集中力を高める三点セットやね。
【読書メモ】悩みどころと逃げどころ ちきりん 梅原大吾
ちきりんさんと梅原大吾さんの共著、悩みどころと逃げどころを再読しました。メモに残そうと思います。
- なぜ梅原大吾は頭がいいのか?外資系でバリバリ働いていたちきりんさん。高学歴の人間に囲まれていましたが、そんな彼らより高卒の梅原さんはずば抜けて考える力があると考えています。梅原さんは高校時代ではずっと寝ていたというのに!だったら学校なんて行く意味あるの?という、問題提起からこの本は始まります。
- ちきりんさん的には学校に行く意味がないと思っていて、梅原さん的には学校に行く意味があると考えています。
- いい大学入っていい会社に入るという構図は成り立たないのに、未だに学校はそれを押し付けている。ちきりんさん的には、そんなところに貴重な人生を捧げる意味はないと考えています。僕もそう思います。
- 梅原さんは勉強しておけと。プロゲーマーにたまたまなれたから良かったけど、なれなかったら勉強しておけば良かったと思うはず。それに学歴は重要で、学歴がないことで苦しんでいる人はたくさんいると。
- 能力とか取り柄がない人は、とりあえず学校でもいっておけ、厳しいですがこれが梅原さんの言いたいことであり、それが現実だよね。
- ちきりんさん的には、不利な人が学校に行くことでより不利になると。というのも、とりあえず大学は出ておけってくらいの家庭環境だと、経済状態が苦しくても学校にいき、そのために借金を背負います。しかし大学では生きるための力を教えてくれるわけでもない。
- 学校の教育でよくないところは、なんで?を追求しないところ。だから質問力が鍛えられない。いい質問をするということはすでに半分正解に近づいている。
- 学校は思考力をつけるためだけじゃなく社会性を養うとことでもある。そういう意味では日本の教育は質が高い。例えばトイレが綺麗と梅原さんはいってましたが、ここには疑問が。トイレが綺麗とかは学校じゃなくて、家庭で学ぶから学校関係なくない?と思ってたら、後でちきりんさんもそう言ってました。
- 学校は平等を好む。でも現実社会は競争がある。だから大前提として戦いがあるってことを教えなくてはならない。それと、勉強ができるだけじゃなくて、複数の物差しを用意する。
- 芝居だと目の前のお客さんが寝たら脚本家や役者のせいになるけど、学校だと生徒が悪いってなる。
- 数学に強いと言う事は論理的だから裏を返せば論理的でないものは重視しなくなる。数学ができるようになると言う事は良い面もあるし悪いこともあったりする。こういうことも学校の先生は教えておくべき。
- 選ばせる力を身に付けさせるためにも中学生以降は選択制の授業にするべき。それで勉強してみて違うなと思えば後で変えることが出来るような仕組みにする。例えば学期ごとに選ぶみたいな。
- 偏差値が高いなどの、学校的価値観が刷り込まれてしまうと、マーケットは何を評価しているのか、自分で気づく能力が失われていく。マーケット感覚がなくなっていくと、市場で求められている者が分からなくなる。勉強はできるけど仕事では使えない、そんな人材になってしまう。でも僕はマーケット感覚が強すぎるってのもどうかと思う。なんでかと言うと市場の感覚に合わせすぎて、テレビ番組ってすごくつまらないものになってるよね。特にお昼の時間帯の主婦向けの番組とか。マーケットに合わせすぎる、つまり大衆に合わせすぎる、大衆ってのはほとんどがバカなので、バカ向けに何かを提供することになる。これっていいの?
- 大事なのはまっすぐに戦うこと。それで勝てればもちろん素晴らしいけど、負けてもいいんです。戦い方において自分に恥じることがなければ、負けても堂々としてればいい。たとえ負けても、その戦いによって、自分がどれだけのものとして生まれてきたのか、自分の立ち位置や、自分のやってきたことの価値が分かるんですから。 いい言葉。
- 少なくとも僕は誠実な敗者には誠実に対応します。だけどプロセスを大事にせずにずるをしていると、負けた時に誰も味方になってくれない。総スカンになっちゃうんです。
- 多くの人はある種の、良い人生の型、みたいなものに照らし合わせながら自分が幸せかどうかを判断している。学校教育がそういうパターン化された良い人生を手に入れるために何をすべきかを教えてくれるからかもしれない。
- 老後を基準にして今の人生を判断していく。だから今頑張っておかないと老後が大変だぞと数十年先のことを基準にしている。なんでそんな先のことを基準にして、今の人生を犠牲にするの?
- 家族のためとか親の為と言う言葉を繰り返していると、思考停止に陥いる。
- 自分と向き合うのを避けているとどこかでツケが回ってくる。
- 一旦思考停止を選んでしまったらもう一生思考は再稼働させない。いい年だからと言う呪文で全てを片付けてしまう。
- 梅原さんにとってはあがくと言うプロセス自体が良い人生に必須のものだったけど、あがくなんて時間の無駄と言う考え方もある。最初から先生の言う通りにやって、いい学校に入っていい会社に入って良い人生になるんだからあがく必要なんかない。学校ってそういう刷り込みをする。
☆☆☆
非常に面白い本でした。僕たちは小さい頃から自分が進むべき道を見つけれる人生は幸せだと思っているかもしれませんが、梅原さんの話を聞くとその気持ちがちょっと変わるかもしれません。だけど自分が進みたい道を自分で選択し、それに向かって努力をすることが楽しい人生になるとだと思います。その道に向かっている中でいろいろなことがあって、他の道に進んだっていい、むしろいろんな道に進んでぶつかってようやく、自分の強みを、いかせるところが見つかるんだと思う。
学校的な価値観に縛られすぎると、良い大学に入って良い会社に入る、それが素晴らしい人生だと思い込んでしまい、そのレールから抜け出せなくなる。
高度経済成長の時代はそれで良かったかもしれないけど、今は違うよね。価値観に縛られることなく思考を停止させることなく自分の道を自分で選ぶべきなんだろう。
【読書メモ】サイコパス 中野信子
- 他者に対する共感性や痛みを認識する部分の働きが、一般人とサイコパスでは違う。
- サイコパスは必ずしも冷酷で残虐な殺人者ばかりではなく、大企業のCEOや弁護士、外科医といった大胆な決断をしなければならない職種の人々にも多い。
- サイコパスはシロかクロではなく、グレーゾーンがあり、症状にも程度がある。
- 100人に1人くらいの割合でサイコパスはいるので、日本には約120万人のサイコパスがいる。
サイコパスの特徴を以下に書きます。
- ナルシスティック
- 恐怖や不安を感じにくく、大舞台でも堂々として見える
- 崇拝者のような取り巻きがいたりする
- 常習的に嘘をつき、話を盛る
- 物事を継続して最後までやりきるのが苦手
- 批判されても折れない、懲りない
- 付き合わなくなった人間のことを悪くいう
- 人当たりは良いが他者に対する共感性そのものが低い
なるほどー。こういう人いるなーと思いつつ、自分も少し当てはまるところはあるね。
- サイコパスでない人の全て善人ではないように、全てのサイコパスが悪人ではない。
- しかし、サイコパスの性質を知らないと、都合良く利用される可能性がある。
- サイコパスは口達者で、恐れを知らずに果敢に行動するため、魅力的に見え、ファンになってしまう人も多い。
- 普通の人なら倫理的にブレーキを踏んでしまうところでも、サイコパスは気にせずやってしまう。
- サイコパスは第一印象がとてもいい。簡単に相手の信頼を得ることができるのが、特徴。
- 顔が細長い人より、横幅が広い男性の方が、サイコパシー傾向や反社会的性向が高い。女性では相関関係があまりない。
- 心拍数がもともと低く、しかも上がりにくい人の方が反社会的行動を取りやすい。心拍数が上がりにくいと、一般人がドキドキする場面でも、ドキドキしないので、ブレーキがかからないという、仮説。もしくは、心拍数を最適なレベルまで上げようとして、強い刺激を求めるという仮説。
- 心拍数が低いということはメリットもある。例えば、爆弾処理班のベテランでは、危険な仕事に取り掛かると心拍数が減少した。
- サイコパスに対して飢餓に苦しむ人などの悲惨な画像を見せても、感情と関連する部分の脳は活性化しない。
- 共感性は低いが、相手の目つきから相手の心理状態を読み取るのは得意。
- サイコパスにとって相手の感情理解は、共感力でするものではなく、国語の試験で、文脈から該当各所を見つけ出し解くようなもの。
- サイコパスの一番の悩みは孤独感が強いこと。人が離れていく経験が強いので、他者に対して仲間意識ではなく、敵という意識がある。
- サイコパスは道徳によって判断することがなく、合理性に基づいて判断する。
- サイコパスは扁桃体の活動が低いので、動物が本来持っている恐怖などを感じづらい。
- 反省できない人、罰を恐れない人がいるということを人は認めることができませんが、そういう人がいます。そして罰を恐れない人からすれば反社会的行為を抑制するために作られた社会制度やルールは無意味。サイコパスの犯罪を抑制予防するためには、発想の転換が必要。
- 自分は普通の人と違うんだと、どこかの時点で気づき、それを隠そうとし、嘘が上手くなる。
- サイコパスには勝ち組サイコパスと負け組サイコパスがいる。勝ち組は捕まりにくいサイコパス。負け組は捕まりやすいサイコパス。捕まりにくいサイコパスは私たちの身近にいる。
- しかし勝ち組サイコパスの研究は難しいもの。何故かと言うとサイコパスの研究のほとんどは刑務所にいるサイコパスを対象としているから。
- アメリカとカナダの研究チームが約1,000人を対象とした実験調査から、お金持ちで高学歴そして社会的地位も高い人ほど、ルールを守らず半倫理的なふるまいをすることを発表した。社会的な階層が高い人ほど、自分に有利になるようにゲームを進行した。このことから社会的経済的地位が高い人にはサイコパスが多いだろうと推測されている。
- サイコパスは遺伝的影響と環境的な影響がある。遺伝的には全く問題がなくても、家庭環境により虐待、母性の剥奪等があればサイコパスになれる可能性は十分にある。
- サイコパスに関して言えば遺伝の影響は無視できないものがある。そしてこれからの時代は遺伝情報が当たり前のように取り扱われるようになる。そのために社会制度や法整備、遺伝に関するリテラシーを高めていくべき。
- サイコパスが存在する理由の1つに、時代を過去に遡れば遡るほど暴力的であり、人が死ぬこと・傷つく事が身近になったということがある。そんな環境の中、生き延びるためにはサイコパス的な感覚があったほうがよかったのかもしれない。
- サイコパスが生きやすい社会と言うものもある。例えばブラジルにとある先住民族。そこでは殺人をすることで集団内の地位は高まり、子孫を多く残す。日本人の価値観とは全く合わないだろうけど、僕たちの価値観が人類共通の普遍的な価値観ではない。
- サイコパスの多くは口ばかり甘くて地道な作業ができないことが多い。だけど口がうまいので出世しやすい。
- 起業家としてのセンスを持っている勝ち組サイコパスも存在しています。なぜならリスクはリスクと思わない力があるからで、世界で最も洗練された勝ち組サイコパスにアップル創業者のスティーブジョブスがいる。
- 自分で地道な作業するよりも、人を巧みに操り仕事をさせる能力が重視されるリーダー職において、サイコパスはもってこいの存在。
- サイコパスは特に看護や福祉、カウンセリングなどの人を助ける職業についている人を餌食にする。困っている人に手を差し伸べることを好む献身的な人間はサイコパスにとってつけこみやすく、利用しやすい。
- 人間の脳は自分で判断を行うことが負担になるので、話を信じる方が楽。それに加え、認知的不協和というものがあり、矛盾があった場合、その矛盾を解消するために都合の良い言い訳を作り出す。サイコパスはこれを巧みに利用する。
- 歳をとるとドーパミンの分泌量が減っていき落ち着きが出てくるけど、一方で意思決定力による喜びが減ってしまう。また、他人を疑うと言う行為は、脳にかかる負荷が高いため疲れてしまうので、歳をとるほど人を信じる。サイコパスの女性は、高齢者をターゲットにする。
- サイコパス向きの職業もある。一般人ではひるむような仕事や、長期な人間関係をしなくてよいような仕事。
- 100人に1人しかない資質は逆に言えば貴重なもの、他人に危害を加えずうまく生きられる方法、仕事があるはず。
ケヴィンダットンによるサイコパスの多い職業トップ10
- CEO
- 弁護士
- マスコミ
- セールス
- 外科医
- ジャーナリスト
- 警官
- 聖職者
- シェフ
- 公務員
サイコパスの少ない職業トップ10
- 介護士
- 看護師
- 療法士
- 職人
- 美容師
- 慈善活動家
- 教師
- アーティスト
- 内科医
- 会計士
☆☆☆
おもしろい本でした。サイコパスの人を拒絶する社会は、ただの優生学になってしまいます。だからサイコパスの特性を知って、罰を与えるといった犯罪予防システムがサイコパスの人にほとんど無意味であることを理解し、他の発想で対策を考え、共存していく道を模索していくしかないんだな。